台風のしごと
以前、これからは台風が増えて水場ができることで蚊もたくさん増えてくる可能性が高いということを書かせていただきました。
ところで、サンゴって何に分類されるかわかります?
海の植物なのか、動物なのか、・・・
こたえは、動物です!イソギンチャクやクラゲに分類される刺胞動物の一種なのです!
サンゴ単体では生きられないので褐虫藻といわれる植物と共生しています。
サンゴ自体もプランクトンを食べますが、褐虫藻が光合成をしてできた栄養分ももらいながら生きているそうです。
ちなみにサンゴのあの鮮やかな色は、この褐虫藻によって色づいているのだとか。
サンゴそのものは白なんです。
サンゴがよく育つ条件として、
・余計な成分の流れていない綺麗な海
・水温が低すぎず、高すぎない適温であること
が挙げられます。
3点目の海水温度が低すぎず高すぎずを維持するためにどうしたらいいのか。
ここで台風の出番です。
台風が何をするのか。
それは、
・・・海の水をかき混ぜてくれる のです。
かき混ぜられると表面の温かい水と、深いところの冷たい水が混ざり合って海水の温度を調整してくれるわけです。
台風の発生は、細かい説明は省きますが海水温度が大きく関係していて、
海面の水温が26℃を超える海で台風は発生します。
海水面の温度が上がると、台風ができて海をかき混ぜて温度を下げる。
こうしてサンゴにとって生きていく条件が整うわけです。
日々の生活のなかで我々人間は台風が来ると、“災害”に目がいってしまいますが
自然界のこのメカニズムを知るとちょっと台風が嫌なものではなくなりませんか。
たしかに河川の決壊や土砂崩れで住む家が壊れたり、水害から住めなくなってしまったりする立場に直面したら大変なおもいをすることは間違いありません。
一時的には動植物の流出や埋没で原形をとどめないこともあります。しかしこのような自然災害が長期的には新たな生物を生み出していたりもするのです。
自然は美しく素晴らしいだけのものではなく、時には脅威であることは確かですが、
台風発生の条件となる海水温度の上昇は、わたしたち人間の生活が影響していることもあるのです。
そうすると自然災害は人に手によって増えていて時に人災ともいえるでしょう。
動植物と共生するために私たちは暮らし方を見直していかなければならないのではないかとおもいます。